研究課題/領域番号 |
17K11465
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
黒坂 大次郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20215099)
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研究分担者 |
橋爪 公平 岩手医科大学, 医学部, 特任准教授 (50407095)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 水晶体上皮細胞 / MRTF / TGF-β / Rock / 白内障 |
研究成果の概要 |
水晶体上皮細胞が、TGF-βという因子によって上皮細胞から筋芽細胞様に変化して、白内障の一つである前嚢下白内障を生じる。TGF-βの信号が、どのような経路で伝わっていくのかを調べ、そこを止められれば、前嚢下白内障を予防できる可能性がある。 我々は、MRTFとRhoの経路が、これにかかわっていると考え、この経路を止める薬剤などを投与して、細胞の変化を止められることを見出した。さらに、動物モデルで、点眼投与すると白内障が予防できた。 これらの経路は、水晶体上皮細胞以外にも、網膜色素上皮細胞でも働いていることがわかり、白内障以外の重症網膜剥離や加齢黄斑変性の治療につながる可能性がある。
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自由記述の分野 |
眼科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
白内障は、アトピー性皮膚炎患者の約1割に生じ、手術治療が必要となるが、手術を行っても老眼になるなど、十分な視機能は取り戻せず、予防が期待される代表的な白内障である。一方、加齢白内障は、手術により相当の視機能を取り戻すが、術後に後発白内障が2~3割に生じ、視機能が低下する。これらの主な病型に前嚢下白内障や前嚢混濁がある。これは、水晶体を作る水晶体上皮細胞が、異常に変化したために生じるもので、その予防法ができればその意義は高い。 我々は、水晶体上皮細胞内に起こるの経路の一つを解明し、さらにその阻害剤を点眼薬として用いることにより、前嚢下白内障を予防できることを動物実験で証明した。
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