2019 年度研究成果報告書

PRIPの新奇癌細胞制御機構に着目した抗腫瘍薬開発研究

研究課題

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研究課題/領域番号	17K11644
研究種目	基盤研究(C)
配分区分	基金
応募区分	一般
研究分野	機能系基礎歯科学
研究機関	広島大学
研究代表者	浅野智志広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (30570535)
研究分担者	兼松隆九州大学, 歯学研究院, 教授 (10264053)
研究期間 (年度)	2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード	細胞分裂 / 細胞質分裂 / RhoA / OCRL1 / PI(4,5)P2 / ミオシンII
研究成果の概要	細胞質分裂とは細胞が分裂する際に染色体分離に引き続き起こる細胞質が2つに分かれる現象で、細胞質分裂異常は癌の発生と関りがあるとされている。細胞質分裂時にPhosphatidylinositol-4,5-bisphosphate [PI(4,5)P2]は分裂溝に集積し、Rho A (Rho-type GTPaseの一つ)に依存した分裂溝の陥入に必須の分子である。本研究において、我々はPRIPがPI(4,5)P2の分裂溝への集積と安定維持に必要であり、PI(4,5)P2下流のRhoA-signaling依存的な細胞質分裂の進行に不可欠な分子であることを示した。
自由記述の分野	細胞生物学、歯科薬理学
研究成果の学術的意義や社会的意義	本研究は、我々が見出し、癌細胞の増殖や転移抑制効果を確認したPRIPの分子機能に着目して、抗腫瘍薬開発を目指す基礎研究である。今回新たにPRIPが細胞質分裂にも関わっていることを明らかにした。正常細胞の細胞質分裂異常によって多核化が起こると、染色体が多倍体化するが、これは癌化の一因であると考えられている。本研究によってPRIPが細胞質分裂の正常化に寄与することと、そのメカニズムが明らかになったことで、癌化や癌の増悪化を抑制するPRIPをターゲットとした抗腫瘍薬の開発に繋がる意義深い研究になったと考える。