研究課題/領域番号 |
17K11910
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
高石 和美 徳島大学, 病院, 講師 (20325286)
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研究分担者 |
北畑 洋 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (60161486)
川人 伸次 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 特任教授 (60284296)
木下 浩之 愛知医科大学, 公私立大学の部局等, 客員研究員 (70291490)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 歯周組織 / 炎症 / 血管 |
研究実績の概要 |
Wister系ラットを吸入麻酔薬(3%イソフルラン)により全身麻酔後、ラットの両側下顎第一大臼歯頬側歯肉および腹腔内に大腸菌由来のリポポリサッカライド(Lipopolysaccharide: LPS)を投与した(LPS群)。コントロール群では両側下顎第一大臼歯頬側歯および腹腔内に生理食塩水を注入した。さらに、充分な麻酔深度を得た後、ラットの歯周組織の炎症の評価のため下顎骨と、体血管反応性の測定のため大動脈を摘出した。歯周組織炎症モデルラット作成の試みについて、LPS投与による間欠的または持続的な歯周組織の炎症に関して安定したデータは得られていない。そのため、現在、LPS投与方法の手技的確率を達成しつつ投与量/投与方法を再考している。また、大動脈を摘出し内皮温存動脈スライス標本を作成し、フェニレフリンで収縮後にアセチルコリンを作用させ血管張力を測定した。その結果、内皮依存性血管弛緩反応が確認された。今後は上記のモデルラットを確率しコントロール群と比較検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
作成を予定していた間欠的歯周組織炎症モデルラットに関して、安定した歯周組織炎症の誘発が確認できず歯周病の重症度に応じたモデルラット作成の計画が遅れている。文献的には別のモデルラットも報告されているため、現法でのモデルラット作成と並行し、別の手法によるモデルラットに関する情報収集を行っている。体血管内皮機能の検討に要する機器および手技は整っているため、モデルラット作成後に測定に以降することが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、間欠的あるいは持続的歯周組織炎症モデルラット作成に関して従来予定していた作成方法(ラット両側下顎第一大臼歯頬側歯肉および腹腔内にLPSを投与する方法)を継続した後、安定した結果が得られなければ、大幅にモデルラット作成の方法を変更する可能性もある。代替の方法としては両側下顎第一大臼歯歯肉縁への機会的刺激や細菌学的刺激により歯周組織の炎症を誘発する。いずれかの方法で安定したモデルラットを作成後、モデルラットおよびコントロールラットの内皮温存大動脈スライス標本を使用し、体血管内皮機能の測定、活性酸素種レベルおよびNADPHオキシダーゼ活性の評価を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
作成を予定していた間欠的歯周組織炎症モデルラットで安定した歯周組織炎症の誘発が確認できず、歯周病の重症度に応じたモデルラット作成の計画が遅れたため、モデルラットを使用して行う研究に使用する費用が次年度に持ち越されることとなった。そのため、持ち越された費用は、今年度と同様の方法あるいは別のいくつかの方法でのモデルラット作成と、それらのラットを使用した体血管内皮機能の測定、活性酸素種レベルおよびNADPHオキシゲダーゼ活性の測定にかかる費用とする予定である。
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