研究課題/領域番号 |
17K12080
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
吉永 砂織 宮崎大学, 医学部, 准教授 (50560596)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 匂い / 療養環境効果 |
研究実績の概要 |
良質な生活経験に基づいた”匂い”の抽出に関する基盤として、匂いと記憶に関連する文献検討および生活歴の聞き取りに関する事前調査を行った。状況や環境をイメージする嗅覚環境情報(匂い)には、過去の文献やインタビューの両方において「幼いころ(過去)の生育環境」や「季節」、「食物」に関する情報が主に含まれることが明らかとなった。しかしながら、インタビューから快で情動性の高いエピソードに関わる匂いの存在を想起することは困難であるケースが多くみられ、調査内容等の更なる検討が必要であることが考えられた。また今回は、過去の記憶と連結された嗅覚環境情報となる匂いを調査したため、実際に匂いを提示する(再現する)ことで想起される嗅覚環境情報との関連性を確認していく必要性が考えられた。本年度は、生体反応評価に関連した測定機器や実験環境の整備も並行して行った。実験環境設定上で課題とされる匂いの残り香の処理については、清浄装置および局所的匂い噴霧による工夫により改良されることが考えられた。また、生体反応の多面的な生理評価とする心拍変動・皮膚電位反応測定について、電位の導出法および変動要因について検討し、安定な測定・解析法についての手技を獲得した。さらに、記憶想起による感情変化の客観的指標とする表情電位トポグラフィについても、安定的電位の導出に至っている。本年度は、無香下における表情電位評価を実施しており、作為的表情表出に伴う特異的電位の導出を色彩変化で捉えることができている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
生活歴の聞き取りにおいて、過去の記憶に快で情動性の高いエピソードと関連する匂いの想起が困難であるケースが多くみられ、嗅覚環境情報を抽出するには更なる追加調査が必要になっているため。
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今後の研究の推進方策 |
嗅覚環境情報を抽出するための追加調査および実際の匂い提示により想起される嗅覚環境情報との関連について検討する。また、匂いの適用に伴う生体反応状況について、自律神経機能活性および主観的感覚認知変化による多面的な整理評価を行い、匂いと生体内部の相互作用について明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文としての成果公表までに至らず未使用となった為、次年度以降に使用予定とする。
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