研究課題/領域番号 |
17K12080
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
吉永 砂織 宮崎大学, 医学部, 准教授 (50560596)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 匂い / 自律神経活動 / 表情筋活動 |
研究実績の概要 |
前年度は、日本人の嗜好性が高いとされる匂い:ラベンダーについて、自律神経バランス指標を用いた評価(交感神経の活性度とするLF/HFの変動)により身体反応を観察した。本年度は、匂いに対する主観的な評価(快不快度や印象度)との関連について見出すことを課題とした。研究者らは、これまでに表情筋活動の変化と感情との関連を探索しており、これを本研究に応用することで、個人の特定の匂いに対する身体反応について、さらなる客観性を高める工夫に取り組んだ。試験調査として、主に正の情動と関連性が報告される皺眉筋、頬骨筋の活動に着目し、匂い適用に伴う筋活動の変化を観察した。被検者はいずれも、ラベンダーの匂いに対する嗜好性の高い者であったが、匂い適用に伴い、皺眉筋や頬骨筋に顕著な筋活動変化は観察できなかった。この中で、表情筋全体(顔面)の変化とした観察すると、眼輪筋や口輪筋付近の微細な筋活動が観察されたが、顔面に多電極を貼付することによる被検者の違和感や不快感といった手法的要因の影響があり、本来の匂い適用に伴う変化を観察できていない可能性が考えられた。これについて、用いる電極の軽量化と配置の工夫に取り組んでいる。また、匂いに対する主観的評価については、過去の経験がもつ嗜好性と現在にある嗜好性の関連が反する被検者がいた。これらのケースについて、身体反応との関連にはどちらが影響しているのか、今後の課題として取り組む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
評価指標とする表情筋活動の抽出において、手法的な改良が必要になったため。
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今後の研究の推進方策 |
自律神経活動と表情筋活動により、身体反応の客観性を高めれるようデータを集積するとともに、主観的反応との関連性を見出す。
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次年度使用額が生じた理由 |
機器改良の必要性から調査が遅れており、研究成果の公表に至る結果を見出すに遅れが生じているため。
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