1.倫理的成熟に向けての教育プログラムの開発:研究分担者とともに倫理的成熟のためのシステム思考による組織開発アプローチについて検討した。本プログラムは一つのユニットを構成する看護職(新人からベテラン、リーダーを含む)全体に対し行うものであり、そのための現状把握として職場で倫理的問題が発生したときから、具体的な問題解決までのアプローチがどのように実施されているのかを参加観察法を用いて分析した。 2.研究参加施設のリクルート:機縁法を用いて参加施設を募った。2施設、3ユニットのデイリーカンファレンスに参加した。 3.倫理的な問題解決の現状:特定患者の事例検討として情報提供のみに終始していることがほとんどであり、今後はCNS等上級看護師が介在したアプローチの現状について把握していくことが必要という課題が残った。 4.倫理的成熟尺度の尺度原案の作成:海外文献の検討により、ethical leadershipとの関連性が明らかとなり、今後は日本での関連性を明らかにしていく研究が必要である。 5.倫理的成熟をねらいとする事例をもとに、タイ王国マヒドン大学ラマティボディ校の学部生に対し、看護倫理の授業を行った。今後、共同研究者と共に国際的な倫理教育プログラムに発展させていく予定である。
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