2023年度では、次の2つの計画を実施した。 1.臨床看護師による「倦怠感のセルフマネジメント促進プログラム」の臨床適用と評価:当該年度に計5名がプログラムに参加した。プログラムの終了を待ちデータの分析を進める。 2.「倦怠感のセルフマネジメント促進プログラム」の修正:1で得られた結果の分析を開始した。この結果を、概念枠組みの見直しおよびプログラムの修正の根拠として用いる。 また、プログラム修正の根拠を得るために、薬物療法を受ける高齢がん患者の運動介入に焦点を当て、医学中央雑誌、CINAHL、PubMedを用いて、過去10年間の文献レビューを実施した。全データベースから検索された452文献のうち、一次・二次選定で抽出された6件を分析対象とした。身体機能の維持や改善を目的とする介入の内容・方法は、有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせが5件、有酸素運動とバランス運動を併用したものが1件であった。また栄養プログラムとの併用が2件あった。介入期間は4週間から10週で、1回の時間は30分以内、頻度は3日/週~毎日に設定されていた。自己管理による在宅ベースの運動が5件、看護師による施設監督下運動が1件であった。リスク管理・運動継続のための工夫として、いずれも運動処方が作成され、強度は低強度から漸増する基準が設定されていること、医師、理学療法士、看護師等がチームを作り運動と生活・症状管理を専門性に応じて患者を支援する、行動変容のための理論を用いて目標設定、セルフモニタリング、フィードバックが組み込まれていることが明らかとなった。
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