本研究は、急性期病院における高齢者と家族に対する身体拘束低減を目指した包括的ケアプロトコル開発を目的とした。方法は、全国の一般病床の看護師2000名を対象とした身体拘束実施時のケアの実態に関する質問紙調査と適正な身体拘束低減に向けた高齢者と家族に行うケア方法について看護師19名に面接調査を行った。その結果、約9割で身体拘束解除に向けた取り組みを行っており、医師の協力や看護部の方針が効果に繋がることが明らかになった。また、高齢者の苦痛を捉える、行動の原因や意味を考える、家族への具体的説明と関係構築、多職種との連携や協働、解除できたケアをスタッフ間で評価・共有することが重要であると示唆された。
|