研究課題
本研究では、①円背高齢者における摂食時の頭頸部角度および頸部可動域と他の誤嚥リスク要因との関連、および②姿勢およびテーブル調整に支援の必要な円背高齢者を対象とした専門家が行う摂食時の姿勢およびテーブル調整による頭頸部角度および頸部可動域の変化の、他の誤嚥リスク要因および食事に向けられる視線の動きや視野範囲の程度への影響を明らかにすることを目的とした。姿勢計測は座位姿勢計測用ソフトウェアrysis、円背計測にシェイプテープ(3D形状計測センサー)を使用した。2019年に2つの施設で高齢者を対象とした計測調査が可能となったが、2020年2月のCOVID-19による感染拡大により、計測調査は中止となった。その後、調査の再開を期待し、施設との調整を継続したが、再開することはできなかった。研究①については、16名中1名の写真画像に不鮮明のものがあり、15名を分析対象とした。研究②は、4名中1名は介入後の計測日に体調不良により視野計測を行えなかったが、rysis用の写真画像は使用できたため、姿勢計測のデータに含めた。身体節線角度は、矢状面頸部線は前傾し、その他の身体節線は後傾を示していた。矢状面頭頚部角度は108.4±15.2°で、基本の姿勢の角度90°を超えて後傾していたのは15名中12名であった。また、顎を挙げたときの頭頚部角度は130.6±13.5°、顎を引いたときは96.9±13.3°であった。円背指数の平均は12.60±3.83(4.42~19.95)であった。寺垣ら(2004)の研究結果(正常:9.2±2.5、軽度後彎:12.7±3.6、中等度後彎:17.9±2.5、重度後彎:22.3±2.5)で評価すると、正常3名、正常-軽度4名、軽度6名、中等度2名、中等度-重度1名であった。嚥下機能評価を実施できた12名のうちRSSTで2回以下の者は7名であった。
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