研究課題/領域番号 |
17K12476
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
森下 幸子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (40712279)
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研究分担者 |
森下 安子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (10326449)
川上 理子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (60305810)
池田 光徳 高知県立大学, 看護学部, 教授 (70212785)
野村 陽子 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (80774843)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 新卒訪問看護師 / 学習支援 / 期待不一致 |
研究実績の概要 |
本研究は、新卒訪問看護師の訪問看護実践に関する学習習得内容と訪問看護管理者等学習支援者の期待との不一致を明らかにし、その不一致を解決し、新卒訪問看護師の主体的な学習の活性化を図り、訪問看護実践力の育成を促進する学習支援プログラムを開発することである。平成29~30年度は、新卒訪問看護師6名および新卒訪問看護師の学習支援に取り組む訪問看護ステーションの管理者やプリセプター7名から、インタビュー(1回)および学習支援者会(6回)での聞き取り調査を行い、新卒訪問看護師の学びや成長、学習支援における困難や課題、組織や学習支援者の課題を抽出し、【新卒訪問看護師の抱く困難】【組織運営上の課題】【学習支援内容における課題】をまとめた。また新卒2年目訪問看護師および学習支援者への聞き取り調査(2回)を実施し、看護教育と訪問看護実践のギャップ、在宅という場での看護技術の習得への不安、利用者および家族の理解と個別的な看護の難しさ、多職種との連携、24時間対応への不安を抱いていることが明らかになった。ステーションの学習支援者は、在宅という場と時間のなかでのコーチングや新卒者とのコミュニケーションの難しさ等を感じていた。 新卒訪問看護師は採用された事業所の業務量や内容に応じて、業務を遂行する実践能力の獲得を求められる。そのため研修プログラムによって一定の知識や技術に獲得ができること、業務を遂行していくための意欲を支援すること、仕事に応じて増分期待される能力との不一致を解決していく必要がある。そのため、学習や成長の過程や目標設定について、新卒訪問看護師と学習支援者が合意形成を図っていく重要であることが示唆され、新卒訪問看護師と学習支援者間に生じる期待と不一致を解決する学習支援プログラムを訪問看護管理者や在宅看護研究者と意見交換し、立案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
訪問看護実践力の育成を促進する学習支援プログラムの作成するための新卒訪問看護師および訪問看護ステーション管理者や学習支援者の課題が明らかになり、また新卒2年目訪問看護師の調査からも成長のプロセスを促進するためのデータの収集ができている。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年は、実際に新卒訪問看護師を採用した訪問看護ステーションにおいて、「新卒訪問看護師の実践知の獲得を促進する学習支援プログラム」を適用し、新卒訪問看護師の育成とその評価を行う予定である。プログラム活用のための学習支援者研修会は、開始前、1か月、3か月、6か月、9か月、11か月に開催し、iPadを活用し、研究者と新卒訪問看護師および訪問看護ステーションでの学習支援のための連絡や相談に適宜応じる体制を作る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費および謝金については、調査した県内の新卒訪問看護師および学習支援者は会議や研修会を通じて、調査に協力をしていただいたため、支払いは発生していない。県外の訪問看護エキスパートや新卒訪問看護師を育成する学習支援者も、大学主催の講演会で招聘をしたため発生していない。
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