研究課題/領域番号 |
17K12545
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研究機関 | 亀田医療大学 |
研究代表者 |
久保 幸代 亀田医療大学, 看護学部, 准教授 (90634923)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 子育て支援プログラム / 地域包括支援 / 地域連携 / ハイリスク妊産婦 |
研究実績の概要 |
本研究では、地域と周産期センター及び大学の連携による妊娠期から出産・育児期までの切れ目ない子育て支援プログラムを構築し、複数の市町村を含めた地域包括支援体制を作ることを目的としている。本年度は、1.助産師による新生児訪問の評価、ハイリスクとして継続支援が必要な妊産婦、NICUに入院となった児とその母親の現状分析、2.文献検討と視察を行い支援内容を検討、3.地域、医療施設、大学の育児支援に活用できる資源の確認と具体的活用について検討することを計画した。 平成28年から周産期センターと大学教員が協働で開始した助産師による産後家庭訪問について、その取り組み状況と相談内容、相談に対する対応、今後の課題と改善策に関する研究を実施している。76件家庭訪問を実施し、1か月健診までの退院後の早期に98.6%の訪問を実施できた。また、訪問理由は90.8%の対象が母乳育児不安であったため、助産師の家庭訪問による母乳育児支援の必要性が示唆された。 ハイリスク妊産婦とNICUに入院となった児の母親への支援については、現在NICU入院中・退院後の継続支援について文献レビューを行っている。レビューから、母親や家族、NICUスタッフの現状と支援について明らかにしていきたい。 子育て支援で活用できる資源と活用については、A市の子育て支援事業において平成28年よりA市と周産期センターが連携し、助産師による産後家庭訪問を行っている。新たに近隣のB市と大学が連携し、平成30年4月より大学教員(助産師)がB市の乳幼児健康相談で助産師相談を行うこととなった。また、今年度9月以降にB市と周産期センターが連携し、周産期センターの助産師がB市の産後家庭訪問を行う計画が進んでいる。今後、A市、B市、周産期センター、大学の連携による子育て支援を進めていくとともに、活動状況の報告とその評価を実施していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の取り組み、1.助産師による新生児訪問の評価、ハイリスクの産産婦として継続支援が必要な妊産婦、NICUに入院となった児とその母親の現状分析、2.文献検討と視察を行い支援内容を検討、3.地域、医療施設、大学の育児支援に活用できる資源の確認と具体的活用について検討することとなっていた。 1と3については、着手し進めているが、2の国内における妊娠期から継続した育児支援に関する文献検討と国内施設の視察については、今年度取り組むことができなかった。30年度は、国内外での子育て支援について文献検討を行い、次年度に計画している海外での子育て支援の視察とともに国内の視察も行い、今後計画・実施する子育て支援プログラムに反映させたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、国内と海外での子育て支援について文献検討を行い、国内・外の子育て支援の現状について視察を予定している。現在までの取り組み状況や視察結果をもとに、今後計画・実施する子育て支援プログラムを検討し、実施に向けた準備を行っていく。 また、現在、市町村・医療施設・大学が連携し実施している産後家庭訪問や助産師相談事業について、次年度は取り組みについて活動報告し、評価に向け準備を行う。また、ハイリスク妊産婦やNICUに入院した児の母親に対する継続支援についても今後検討し、支援プログラムを作成し、プログラムの実施について計画していく予定である。 さらに、育児支援プログラム実現に向け活用できる人材については、学生や地域ボランティアも視野に入れ、今後具体的な支援方法を検討していきたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 予定では、国内で子育て支援を実施している施設を視察することとしていた。しかし、視察対象となる施設について調査が終了していないことで今年度実施できなかった。そのため、予定額を減じ次年度使用額が生じた。 (使用計画) 平成30年度は、国内・外の子育て支援の現状についての視察と市町村・医療施設・大学が連携し実施している産後家庭訪問や助産師相談事業についての活動報告と評価に向け準備を行う。また、ハイリスク妊産婦やNICUに入院した児の母親に対する継続支援についても今後検討し、支援プログラムの作成・実施について計画していく予定である。そのため、設備備品:50,000、旅費:96,000(国内視察)+140万(海外視察)、人件費:30万(海外視察通訳、謝礼、テープ起こし)、その他:50,000(通信費、会議費)を使用する予定である。
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