研究課題/領域番号 |
17K12545
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研究機関 | 亀田医療大学 |
研究代表者 |
久保 幸代 亀田医療大学, 看護学部, 教授 (90634923)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 子育て支援 / 多職種連携 / オンライン子育て相談 / 産後家庭訪問 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、地域と周産期医療施設及び大学の連携による妊娠期から出産・育児期までの切れ目ない子育て支援プログラムを構築し、妊産婦とその家族を支える地域包括支援体制をつくることである。2020年度に取り組んだ以下3点について報告する。 1.子育て支援室開設の準備:2019年度に育児期の母親を対象にインタビュー調査を行った結果、母親らが大学での子育て支援室の設置を望んでいることが明らかになった。そこで、2020年3月より、多職種でプロジェクトチームを立ち上げ、大学における子育て支援室開設に向けプロジェクト会議を開始した。メンバーは、総合病院で産後家庭訪問等を行っている助産師1名、元子育てひろば館長1名、助産専門学校教員1名、大学の小児看護学教員1名・母性看護学教員2名の計6名である。2020年6月に子育て支援室を開始する予定であったが、新型コロナ感染症の拡大により、大学内への立ち入りが制限され、延期となった。 2.オンラインによる子育て相談の開始:感染予防の措置が続く中、会議を重ね、支援室の代替としてオンラインによる子育て相談を12月に実施した。母親の参加は3名であったが、オンライン上で母乳育児や、遊ばせ方等様々な相談が挙がっていた。今後も自粛が長引く中、不安を抱え育児をしている母親に一人でも多く相談できる場を提供できるよう、オンラインによる相談継続が必要であると考えている。まずは、母親たちに広報していくことを検討したい。また、感染が収束してくるタイミングで、子育て支援室が開設できるよう準備をすすめていく予定である。 3.出産施設の助産師が行う家庭訪問に関する研究:出産施設で実施している産後家庭訪問について、訪問を行っている助産師の効果と今後の課題について助産師を対象にインタビュー調査を行った。2020年度にその結果を論文にまとめ、投稿しており、現在審査中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
最終年度である2020年度には、子育て支援プログラムとして、多職種による子育て支援室を大学に開設し、実施・評価する予定であった。 しかし、新型コロナ感染症の拡大により、本学への学外者の立ち入り制限の措置が取られており、支援室の準備のための会議が十分に開催できなかったこと、また支援室自体の開設が不可能となり、計画に遅れが生じてしまった。そのため、研究計画の延長を申請し、2021年度に計画を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1.子育て支援プログラム「多職種による子育て支援室の開設」:支援室開設に向けて、感染予防対策、安全対策、物品(おもちゃ等)等の準備をすすめる。新型コロナ感染症の拡大状況により、対面での子育て支援室の実施が困難な場合、オンラインによる子育て相談を実施していく予定である。 2.オンライン子育て相談実施:実施方法、人員確保、母親への広報について検討し実施していく。 3.母親を対象に行った子育て支援に関するニーズ調査の結果をまとめ、公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度に子育て支援プログラムとして大学での子育て支援室を開設し、実施・評価する予定であった。しかし、新型コロナ感染症の拡大により、学内への立ち入りが制限され、育児支援室の開設が困難な状況となってしまった。そのため、子育て支援室の準備として使用 する予定であった予算を使用することができなかった。 また、学会参加のための旅費として使用予定であった予算については、ほとんどの学会がオンラインとなったため、未使用となった。
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