熊本地震で被災した宗教建築のうち特にカトリック教会堂がどのように復旧したのか、詳細な過程と自助の仕組みを調査し、宗教建築の多様な価値を保全するため、その復旧に対してどのような公助が適切であるのか提言をおこなうことを目的とした。被災した教会の調査によれば、自助による復旧を可能にしたのは平時から信徒が主体的に建物営繕をおこなってきたこと、それによって建物のことを熟知していたためである。被災時にも信徒が迅速に対応できた。信徒が営繕をおこなう動機は信仰心である。宗教建築の災害復旧に公助をおこなう場合は、信徒が計画設計施工までおこなうことを支援し信仰という精神的価値を保全する公的支援の仕組みを提言する。
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