研究課題/領域番号 |
17K12646
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
澄田 範奈 東京工業大学, 情報理工学院, 講師 (10761356)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 線形相補性問題 / 公平割当 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,組合せ的制約をもつ線形システムを解くアルゴリズムの構築と理論解析である.2020年度は,2017年度に国際会議で発表した研究成果(2017年度の研究実績にて報告済み)をブラッシュアップした上で論文誌に採択された.その他には本研究課題の研究成果としての論文は採択されていないが,研究課題で取り上げることを計画していた線形相補性問題に関連する論文を投稿準備中である. 線形相補性問題の研究は現在も進行中である.線形相補性問題はNP困難な問題であり,理論的にはどのような場合に効率良く解けるかを明らかにする研究がなされている.取り組んでいるトピックはふたつあり,そのうちのひとつは線形相補性問題の特殊ケースに対するアルゴリズムがもつ計算量の解析である.解析しやすい良い構造をもたないことが分かったため,最初に想定していたより解析はあまり単純ではないということが明らかになった.補助的に数値実験を行いながら解析を進めており,部分的な結果は得られている.当初予定していた完成度の結果を得るため,別角度からの解析や問題の分割を検討しながら解析を進めている.もうひとつのトピックは,あるクラスの線形相補性問題を解きやすい形に変形することを試みるものである.変形については考察が出来ており,変形後の問題について考察を進めている. その他にも,2019年度の研究実績にて報告した内容に関連して公平割当の研究も進めており,論文投稿に向けて成果を取りまとめている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度までの進捗が予定よりやや遅れていたのに加え,他の研究・業務との兼ね合いにより当初の予定までは進められていなかったが,上記の進捗を得ているため.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,研究目的のひとつである線形相補性問題をメインに考察を進め成果を取りまとめられるよう取り組む.その他に公平分割の研究も進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスによる影響で国際/国内会議参加のための出張がなくなり,旅費として計上していた分が使用できなかったため次年度使用額が生じた.2021年度も出張は難しい見込みであるため,代わりに書籍を購入して研究に必要な情報を収集し,PCおよび周辺機器を購入して研究環境を改善することを計画している.
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