研究課題/領域番号 |
17K12719
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
道満 恵介 中京大学, 工学部, 講師 (90645748)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 料理撮影支援 / 魅力度推定 |
研究実績の概要 |
今年度の研究実施計画に従い,料理の盛り付けや撮影方法の良し悪しを料理写真から定量化する手法の開発に取り組んだ.具体的には,これまでの研究において注目されていた料理の撮影角度だけでなく,ぼかしやスケーリングという複数の要因に注目し,それらが料理写真の魅力度に及ぼす複合的な影響を定量的に分析した.また,それらが魅力度推定手法の精度に及ぼす影響を定量的に分析した. その結果,料理写真を撮影する際には,主食材領域に注目してぼかし方を調整することが,魅力度に大きな影響を及ぼすことが明らかとなった.また,その影響は,料理カテゴリ毎に異なり,料理カテゴリに応じて最適なぼかしやスケーリングの方法が存在することが示唆された.また,料理写真と一般的な情景写真では,魅力度の評価基準が異なることも示唆された.具体的には,一般的な情景写真については審美性の観点で主に評価されるが,料理写真に対しては食べ物として美味しそうかどうかが主に評価されることが示唆された.これにより,料理写真に対しては,一般的な情景写真とは異なる画像特徴を用いて魅力度を定量化することが有効であることが判った.また,これらの分析の過程で,料理写真の撮影角度に加えてぼかしとスケーリングを加えた新たな料理画像データセットを構築した.以上の成果を,国内のシンポジウムや研究会,国外のワークショップで発表した. その後,これらの知見を踏まえて,料理写真の魅力度を推定するための最適な画像特徴量を検討しており,学会等での成果発表を目指している段階である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要において記載した通り,研究実施計画に基づいて研究を遂行しており,おおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究成果に基づいて,今後は料理写真の魅力度推定のための新たな画像特徴を検討していく予定である.ただし,現在のところ料理画像データセットの規模が小さく,画像特徴の有効性を正確に評価しづらい状況が発生しているため,まずはこの問題を解決すべく研究に取り組みたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
高速計算機を購入する予定であったが,次期モデルの発売時期等を考慮し,次年度に購入することが研究の遂行において有利であると判断したため.
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