研究課題
若手研究(B)
自らが提案している多入力型ΔΣ変調器(MIDS)を用いた新しい多チャンネル駆動法について研究を行った。提案法は,端子間電圧の積に比例した出力を行うトランスデューサと組み合わせることで,共通の配線で多チャンネルを制御するマトリクス駆動方式を,個別制御でありながらパッシブかつ時分割を用いることなく実現することができる。本プロジェクト期間内では理論を構築するとともに,制御線40本の400chのパッシブスピーカアレイを試作し提案法の有効性を確認した。
音響工学
本研究における提案法により,受動素子のみ,かつ走査を用いることなく,スピーカアレイをマトリクス駆動する手法が理論・試作実験から示された。本法を用いることで,個別にICを設置することなく2N本の配線でN×N点のスピーカを個別駆動することが可能となる。これまで過大な制御点数から不可能とされてきた“音を1点ではなく波面として制御”する手法の確立に向けて,特にハードウェア上でのブレイクスルーが期待できる結果となった。