研究課題
若手研究(B)
本研究の目的は,指の自由度を利用して手の中で物体を操るイン・ハンド・マニピュレーションを工学的に実現することである.まず,イン・ハンド・マニピュレーションをヒトが直接教示可能なマスタ・スレーブシステムを構築し,操りを実現するための角度・トルク軌道をモデルレスで生成できることを確認した.つぎに制御性能の向上を目指し,摩擦などの確率的不確かさにロバストな繰り返し学習法を提案し,その有効性を実験的に確認した.
ロボット工学
従来までイン・ハンド・マニピュレーションではモデルに基づいた操り戦略を構築することが一般的であった.一方,本研究では,操りを実現する軌道の生成と制御性能の向上がモデルを用いずに実現できることを示した.モデルが不要となったことで (1) モデル化誤差に対するロバスト性の向上,(2)対象物の変更に対し物理モデルの再構築が不要な点で操りの実現が容易の2つの工学的有用性が期待できる.