日本では長い間、木材自給率の低さや間伐材の放置などが課題であった。そのため、現在、我が国では木材の有効活用が進められている。内装木質化による効果検証は、これまで大学生を対象としたものが多かった。そこで、本研究では、内装木質化に対する高齢者の心理的・生理的反応の特徴を明らかにすることを目的とする。高齢者は若年者よりも無垢材のにおいを好む傾向がみられ、無垢材を用いた木質内装室により良い印象を持っている傾向がみられた。また、木質内装室には鎮静効果があることが示唆された。このことから、木質内装は、鎮静効果を必要とする場所や、高齢者の施設・住宅等に施すことが効果的であると考えられる。
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