研究成果の概要 |
本研究では,麹が肥満に付随する炎症に対して抑制効果を有すると考え,パルミチン酸誘導性炎症に対する麹の効果をRaw264マウスマクロファージ細胞を用いて検討した.結果,白麹脂質抽出物はLPS誘導性の炎症には影響を与えずに,パルミチン酸曝露による炎症性メディエーター産生を特異的に抑制することが明らかになった.さらに活性成分の探索を目的として麹に含まれる遊離脂肪酸を分析した結果,麹には原料である米にはほとんど含まれない奇数脂肪酸が10mmol/kg, リノール酸やリノレン酸が5-10 mmol/kg程度含まれていることが分かり,これら不飽和脂肪酸にはパルミチン酸誘導性炎症特異的な抑制効果が見られた.
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