本研究では,(1)ダイナミック・プライシング,(2)マッチング販売,(3)カスタマイズ販売のそれぞれについて消費者の視点から価格戦略の評価を試みた.(1)では,自動で予約・購入処理を実行するプログラムであるインターネットボットの存在を最適価格政策に考慮しなければ,企業収益および消費者余剰を低減させることを示した.(2)では,チケット転売対策としてのマッチングシステムの導入において,チケットの販売価格の上限を適切に設定することが社会的厚生を増加させるために重要であることを示した.さらに,(3)では消費者の使用量に基づく従量課金販売に着目し,課金単価を最適に設定することで社会的厚生の増加を示した.
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