研究課題
若手研究(B)
1989 年ほ乳類の脳 に内在性硫化水素が存在することが報告されて以降、一酸化窒素、一酸化炭素に続くガス状生理活性物質としての機能性が注目されている。骨格筋萎縮は患者のQOLの低下につながる重篤な状態であるにも関わらず、その治療法は確立されていない。本研究では、マウス骨格筋細胞株において硫化水素が骨格筋肥大を引き起こすことを見出した。さらに、生体内硫化水素供与体であるシステインの骨格筋肥大効果を示した。
分子生物学
寝たきりによる骨格筋萎縮はQOL(クオリティオブライフ)を著しく低下させ、医療費の増大につながっている大きな社会問題である。その治療法はリハビリに頼っているところが大きく、負担の少ない治療法の開発が必須である。本研究ではガス状生理活性物質である硫化水素による骨格筋肥大効果を初めて明らかにした。さらにその生体内供与体のアミノ酸であるシステインによる筋肥大効果も見出したことから、栄養成分(または食品)による骨格筋萎縮の治療法の第一歩となることが期待される。