本研究の目的は,一定時間の機械的触覚刺激介入が体性感覚野の興奮性に及ぼす影響を明らかにすることとした.介入条件は単純刺激(刺激面全体を同時に刺激する条件)と複雑刺激(刺激面内を左右に刺激が移動する条件)の2条件とし,介入時間は20分間(on/off:1秒/5秒)とした.体性感覚野の興奮性は介入前後で触覚刺激後50 ms付近で認められる振幅値(P50m)を算出した.単純刺激介入では,介入前に比べ介入後においてP50m振幅値が有意に増大し,複雑刺激介入では,P50m振幅値が有意に減少した.機械的触覚刺激介入は,体性感覚野の興奮性を変動させることが明らかとなった.
|