本研究は自動車運転行動評価装置(特許第5366248号)を用いて,模擬運転テストで得られる操作反応や危険認知の指標である手掌部発汗反応と高次脳機能障害との関係を明らかにすることを目的としている.当院脳外科病棟入院中に作業療法が処方され,病棟生活が自立し,自宅退院の方針で自宅退院後に自動車運転を希望していた32名の患者を対象として,本装置を用いた模擬運転テストと認知機能・注意機能検査を実施した.結果,注意機能が良好な群では危険予測場面(状況を注意深く観察し,必要に応じてブレーキ操作を行う場面)において手掌部発汗量が多かったことから,注意機能が運転操作時の情動反応に影響することが明らかとなった.
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