本研究は、①運動習慣の有無、②加齢の影響から、力発揮調整能に関わる脊髄α運動ニューロンの興奮性について明らかにした。運動課題は各20秒間の掌握運動とした。 ①等尺性の筋力維持課題、②漸増・漸減時における筋力増減課題および③等尺性掌握運動後に力を増大または減少後、掌握運動を行う課題において、各々運動習慣や加齢の影響が観察された。F波出現頻度は、力発揮時は運動習慣の有る者より無い者、また若年群より高齢群が高かった。さらに、力発揮直後において、若年群は安静レベルに戻るが高齢群は高いままであった。これらのことから、運動習慣の有無、加齢に伴い脊髄α運動ニューロンの興奮性動態に差異が生じることが示唆された。
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