研究実績の概要 |
本研究はスポーツにおけるコミュニティ形成と組織マネジメントの関係性を検証するため、3ヵ年計画のもと、スポーツ消費者の間で形成されるソーシャル・キャピタルがスポーツ組織のために行う支援的行動とどのように関係しているかを明らかにする。研究1年目はプロサッカークラブの地元住民を対象としたが、研究2年目はプロ野球チームの本拠地に暮らす住民を対象としてアンケート調査を実施した。ソーシャル・キャピタル関連の要因と組織的アイデンティティ関連の要因の関係性を検証するため、独立変数と従属変数を測定する時期をシーズン前半と後半にそれぞれ分けて追跡調査を行った。 研究2年目の1回目の調査はインターネット調査会社のサービスを利用して5月に行い、横浜市在住で地元のプロ野球チームの観戦に興味のある1030人からデータを収集した。測定内容は人口動態的特性(e.g., 性別,年齢,居住地)、社会経済的特性(e.g., 学歴,職業)、行動的特性(e.g., 観戦頻度,応援年数)に加え、心理的変数(ソーシャル・キャピタル関連の要因、組織同一視関連の要因、主観的幸福感)などであった。心理的尺度は先行研究(e.g., Carlson et al., 2009; Tsai & Ghoshal, 1998)を参考に設定した。 2回目の調査はシーズン終了後の10月に実施し、1回目の調査と同様の回答者に再度アンケートを依頼し、618人から回答を得た。測定内容は1回目の調 査と同じ質問項目であった。計画通りに2度に渡る追跡調査を行い、現在までにデータ入力と基礎集計(記述統計)を完了している。
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