本研究はスポーツにおけるコミュニティ形成と組織マネジメントの関係性を検証するため、3ヵ年計画のもと、スポーツ消費者の間で形成されるソーシャルキャピタルがスポーツ組織のために行う支援的行動とどのように関係しているかを明らかにすることであった。研究1年目はプロサッカークラブの地元住民を対象とし、研究2年目はプロ野球チームの本拠地に暮らす住民を対象としてそれぞれアンケート調査を実施した。どちらの調査においても、独立変数と従属変数を測定する時期をシーズン前半とシーズン後半に分け、追跡調査を行うため、インターネット調査会社に業務委託し、リサーチパネルからデータを収集した。研究1年目も2年目も、1回目の調査の標本数が1030人で、2回目の標本数が618人であった。 研究3年目は成果報告に向け、研究1年目の分析結果(ソーシャル・キャピタル関連の要因と組織的アイデンティティ関連の要因が将来的なファンロイヤルティに与える影響)を国際ジャーナルに投稿し、現在は査読審査の段階に入っている。また、研究2年目の内容(ソーシャル・キャピタル関連の要因と組織的アイデンティティ関連の要因が将来的なウェルビーイングに与える影響)については、日本マーケティング学会の2019年度大会で口頭発表した。計画どおり、研究3年目はこれまでに取り組んだ2つの研究の成果報告(論文投稿と学会発表)を完了しており、今後は研究2年目の論文を国際ジャーナルに投稿することが次の目標である。
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