筋収縮によって産生された乳酸は,隣接する筋線維において利用される機構の存在が報告されているが,筋収縮後の細胞外環境で生じる高乳酸塩状態の生理学的な役割は明らかとなっていない.本研究は,細胞外高乳酸塩濃度の環境下で筋収縮を負荷した際の細胞内pH及び乳酸濃度,筋発揮張力の関係性を検証した.細胞外の高乳酸レベルは安静時の細胞内乳酸値の増加を誘導し,この値は筋収縮後においても持続した.筋張力の疲労耐性は細胞外の高値乳酸条件下で増加した.また,細胞外の乳酸濃度の違いは細胞内pH値に影響しなかった.本研究は,細胞内の乳酸バイオイメージング評価モデルによって筋収縮時の乳酸代謝動態の特性を明らかにした.
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