血糖(グルコース)は骨格筋の重要なエネルギー源であり、運動中に活動筋がGLUT4の働きによって血糖を盛んに取り込むという分子機序はよく知られている。しかし、活発に取り込まれた血糖が余すことなく効率的に解糖系とミトコンドリアでのATP 生成に利用されるのに必要な機序には不明な点が多い。糖の源流段階に位置し、取り込まれた血糖をリン酸化するヘキソキナーゼは、ミトコンドリアと協調して活動筋の血糖利用に重要な役割を果たすことから、「運動中に活動筋ではヘキソキナーゼのミトコンドリア膜への結合が増加する」との仮説を検証したが、安静状態と比べて変化は見られなかった。
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