諸外国ではエナジーアベラビリティー(EA)の実測値を用いた低EAの評価だけでなく、代替指標を用いた低EAの評価やアンケート手法を用いた低EAのリスクレベルの評価も行われており、上記手法はEAを実測するよりも遥かに簡易的で、日本人女性アスリートの三主徴予防を目指す上で、スポーツ現場への普及も含めて有益な手法であると考えられる。 令和4年度は、スポーツ現場で利用可能なEAの簡易評価法を用いて、日本人女性アスリートの低EAのリスクレベルの現状について、明らかにすることを目的とした。令和2年度から継続して、本年度においても大学運動部に所属する日本人女性アスリートを対象に、アンケート手法を用いた低EAのリスクレベルの評価および体格指標、運動量の評価を実施した。 また、日本人大学女性アスリート11名を対象に、EAの実測値の評価およびアンケート手法を用いた低EAのリスク評価を行った。EAの実測値を算出するにあたり、運動時のエネルギー消費量はflex-HR法を用いて評価を行い、1日のエネルギー摂取量は食事記録法および写真撮影法の併用法を用いて評価を行った。また、EAの実測値や代替指標となる安静時エネルギー消費量の代謝低下率を用いて、アンケート手法によるリスク評価との関係性を検討した。本研究では、11名という限定された人数であるため、今後は対象者を増やすとともに、大学生年代に加え、低EAリスクの可能性が考えられる高校生年代においても検討を行いたい。
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