椅子立ち上がり(STS)動作は、全ての日常生活動作に先立つ動作であるため、その成就の可否は、高齢者の自立度に大きく影響する。一方、機能低下の著しい高齢者であっても、動作を成就できる高齢者も少なくない。立ち上がり方、つまりストラテジーが、動作の成就に大きく関係していると考えられ、本研究では身体機能と動作成就ストラテジーとの関係を検討した。その結果、STS動作の成就ストラテジーは、高齢者の身体機能(筋力、歩行能力あるいはバランス等)に応じたパターンに分類されると示唆された。他方、身体機能の改善に伴うSTS動作の成就ストラテジーの変化も推測されたが、本研究においては認められなかった。
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