がんは,様々な遺伝子変異の蓄積によって解糖系やグルタミン代謝などのエネルギー代謝経路を変化させて生存・増殖を有利にする.近年がん細胞の代謝経路の変化が,正常細胞との差別化が期待できる重要な開発領域として注目されている.例えば、殆どのがん細胞では解糖系が亢進されている (ワーバーグ効果).したがって,エネルギー代謝を阻害する化合物は,がん特有の代謝経路を利用した抗がん剤の候補として期待される.これまでの,エネルギー代謝阻害化合物の探索研究から,クエン酸回路のフマル酸水和酵素を阻害するピロリジノンと解糖系を阻害する化合物の探索により新規マクロライドを見出している.
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