研究課題/領域番号 |
17K13278
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
末松 尚史 大阪大学, 工学研究科, 助教 (30779517)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 人工視覚 / 神経補綴 / 近赤外レーザー刺激 / 視覚野 / 行動実験 |
研究実績の概要 |
通常の皮質刺激型人工視覚では、皮質内に刺入した電極もしくは皮質表面に設置した電極による電流刺激が、一般的なアプローチとして用いられている。しかしながら前者は侵襲性という観点から、後者は得られる空間解像度という観点から、未だ十分な機能は得られていない。本研究課題においては、過去10年ほどで末梢神経系や感覚器、体性感覚野などを対象とした研究が進められてきた近赤外レーザー光刺激を視覚野に適用し、誘発される神経応答の評価を行っている。 当初の研究計画では膜電位感受性色素イメージングを用いて、誘発応答の強度や空間的広がりの評価を行う予定であったが、懸念していたようにレーザー光の与える熱による膜電位感受性色素の消光がデータに乗ってきたため、計測方法を細胞外電位記録に変えて研究を進行させた。その際には皮質の層を縦断するような多点電極を用いることで、in-vivoでの脳表上からのイメージングが苦手とする皮質深さ方向の誘発応答の評価を狙った。現在、いくつかの例において効果の期待出来るサンプルが得られたため、詳細な解析を進めている最中である。 また、二年度目の研究計画としていた視覚野刺激時の動物の行動評価に関しても、実験系確立を目指して、単純なLED刺激や既存の電気刺激で課題を遂行させる装置やパラダイムを構築中である。現在、遂行可能な動物もいたものの個体を跨いでの結果は安定していないため、実験系の改良中である。 本研究課題遂行の過程で、既存の電気刺激によって誘発される視覚野応答の評価に関する論文が出版された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定とは異なる計測手法ではあるものの、効果の期待出来る例が取得出来たため。また同時並行している行動実験もある程度の進捗があったため。
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今後の研究の推進方策 |
効果の期待出来る例は得られたものの未だ限られており、更に例数を増やす必要がある。また、刺激パラメータ(波長、強度、持続時間など)の応答への影響も評価する。 行動実験系に関しては、動物が安定的に遂行可能な課題の確立を急ぐ。また、課題遂行数を増やすために、飼育ケージ内に実験系を構築し、日常的に学習が進むような工夫も取り入れることを計画している。
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