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2018 年度 実施状況報告書

「からゆきさん」にみる移動・性・権力の諸相

研究課題

研究課題/領域番号 17K13298
研究機関明治学院大学

研究代表者

嶽本 新奈  明治学院大学, 社会学部, 研究員 (90795056)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード女性 / 移動 / 権力 / ジェンダー / 「からゆきさん」
研究実績の概要

二年目にあたる2018年度は、北方へ行った「からゆきさん」調査として、尼港事件とその慰霊碑について調査をした。尼港事件で犠牲になった日本人の中には「からゆきさん」も多くいたことは知られている。犠牲者の慰霊とその遺族たちへの救恤金要求に奔走したのが、島原出身で尼港で商売をしていた島田元太郎だが、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターに島田元太郎の資料が多く所蔵されているため、収集と調査を行った。また、熊本県にある慰霊碑を管理している東明寺でも資料調査を行った。さらに、長崎県島原で「からゆきさん」関連施設をめぐり、関係者の方々にインタビューを行った。島原には島田元太郎の墓もあるため、今後も継続して調査を進めていく予定である。
シベリア出兵、尼港事件、移動関連といった関連する参考資料、文献を読み進め、今後も考察を深めていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

進捗状況が遅れている理由としては、当初の想定以上に島田元太郎の資料が膨大であり、資料の整理に時間がかかっているためである。加えて、現地調査で地元の方々から話を伺うにあたって信頼関係を築くのに時間が必要なためである。

今後の研究の推進方策

全てをひとりでこなそうとするのではなく、資料整理等はアルバイトを雇うなどより効率的に作業が捗る方法を模索して研究を進めていきたい。2018年度は、古い音声資料の文字起こしに地元の人の協力を得ることができ、大いに助かった。今後も、他の研究者や地元の方々と相談、連携して研究遂行にあたるようにしたい。
上記を踏まえながら、基本的には交付申請書の実施計画に沿って調査、研究を進めていく所存である。

次年度使用額が生じた理由

当初の予定よりも収集した資料の整理に時間がかかり、予定していた国外調査に行けなかったため、旅費として申請していた分が来年度に繰り越されることになった。次年度は計画を見直し、研究を遂行できるよう努めていく予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 研究余話「からゆきさん」研究と『新聞に見る福岡県女性のあゆみ』2018

    • 著者名/発表者名
      嶽本新奈
    • 雑誌名

      福岡 女たちの戦後

      巻: 第三号 ページ: 92-94

  • [学会発表] 北方への「からゆきさん」の状況と整理ーー天草の「尼港事変殉難者碑」を手がかりに2019

    • 著者名/発表者名
      嶽本新奈
    • 学会等名
      シンポジウム「朝鮮・極東ロシア・樺太の「からゆきさん」たちーー公娼制の内と外」
  • [学会発表] 近代日本の女性の移動と再生産ーー「からゆきさん」の生涯をめぐって2019

    • 著者名/発表者名
      嶽本新奈
    • 学会等名
      お茶の水女子大学ジェンダー研究所主催IGSセミナー
  • [学会発表] 「からゆきさん」にとっての「越境」とはなにかーー「連帯」を阻むもの2018

    • 著者名/発表者名
      嶽本新奈
    • 学会等名
      WS「森崎和江の越境する連帯の思想ーー『からゆきさん』の近代と現代」
  • [学会発表] 「からゆきさん」にとっての移動の問題ーー聞き書きからみえてくるもの2018

    • 著者名/発表者名
      嶽本新奈
    • 学会等名
      国際シンポジウム・移住と女性ーー移住女性たちが語る国家・地域・世界ーー
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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