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2020 年度 実施状況報告書

「からゆきさん」にみる移動・性・権力の諸相

研究課題

研究課題/領域番号 17K13298
研究機関明治学院大学

研究代表者

嶽本 新奈  明治学院大学, 国際平和研究所, 助手 (90795056)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード「からゆきさん」 / ジェンダー / 移動 / 再生産
研究実績の概要

開国以降に海外へ渡航し、渡航先で性売買をしていた女性たち(「からゆきさん」)の状況を歴史的に明らかにするための研究を行っているが、2020年度はCOVID-19の流行の中で予定していた資料調査や関係者へのインタビューができず、微々たる進捗状況だと言わざるをえない。しかし、これまでの調査で得た元「からゆきさん」の音声資料(インタビュー音声)の精査に時間を使うことができた。今後も引き続き、音声資料で語られている内容をひとつひとつ実証していく予定である。
感染リスクによる移動の制限によって地元資料へのアクセスや地元関係者へのインタビューができない状況が続いており、ご高齢でもある関係者の方々からの聞き取りが停滞してしまうことは残念でもあるが、現在できることを積み重ねていくしかない状況である。
だが、こうした状況下で、これまで進めてきた音声資料について途上の成果ながらも学会で報告し、様々なご意見を伺えたことは今後の研究を進めていくにあたって重要な画期となった。引き続き、コロナ禍のなかで研究方法を模索していきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究の進行がやや遅れている理由のひとつは、上の実績で書いた音声資料の文字起こしに膨大な時間がかかったためである。音質の悪さと地域の強いアクセン トのため、言葉を聞き取り、読解するまでに相当な時間を費やす必要があったからである。加えて、ふたつめの理由として、音声資料で話される裏付けに現地調査のため海外へ行くことを予定していたが、COVID-19の流行と感染リスクの回避のため、計画していた調査を取りやめる決断をしなければならなかったからである。現地で資料調査をするつもりだったため、COVID-19の流行は大きな打撃であった。

今後の研究の推進方策

COVID-19の流行とワクチン摂取の状況によってはまだ当分海外調査どころか、国内での調査自体も控えねばならないことが予想される。現段階では仕方ないので、これまで収集してきた資料の整理・分析を進めるとともに、音声資料のさらなる聞き込みと東京近辺での資料裏付けの調査を行い、申請書の実施計画に沿って研究を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の流行により予定していた国外・国内調査ができなかったので計画予定の支出を実施できなかったため。次年度は感染状況を慎重に見極めつつ、より柔軟に研究を遂行していきたいと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「書評・吉見義明『買春する帝国ーー日本軍「慰安婦」問題の基底』」2020

    • 著者名/発表者名
      嶽本新奈
    • 雑誌名

      『歴史学研究』

      巻: 999 ページ: 39-42

  • [学会発表] 「シンガポール・マレーシア半島における日本人女性の経験ーーある「からゆきさん」の生涯をてがかりに」2020

    • 著者名/発表者名
      嶽本新奈
    • 学会等名
      ジェンダー史学会会員企画シンポジウム

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公開日: 2021-12-27  

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