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2017 年度 実施状況報告書

消滅の危機に瀕した八重山語諸方言の音声・例文付き辞書作成

研究課題

研究課題/領域番号 17K13470
研究機関長崎大学

研究代表者

原田 走一郎  長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (00796427)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード危機方言
研究実績の概要

当該年度は、語彙データの蓄積を目的としていた。結果、1.語彙データの蓄積、2.当該方言に特徴的な表現に関する論文の執筆、を行うことができた。
1.データの蓄積:本年度は、主に、沖縄県八重山郡竹富町黒島において調査を行い、黒島方言のデータの蓄積を行った。フィールドワークは計3度行った。具体的調査内容としては、これまでに収録されていなかった語彙や、その例文の収集を行った。特徴的な語彙としては、黒島方言話者にとって身近な動植物に関する語彙を収集した。ほとんどすべての項目について、録音も同時に行った。また、これまでに収集していた方言による会話の書き起こしからも語彙項目の追加を行っている。
2.特徴的な表現に関する論文の執筆:語彙項目追加の過程で明らかになった黒島方言に特徴的ともいえる表現に関する論文を執筆した。具体的には、黒島方言における係助詞「du」、および、黒島方言の若者ことばともいえるいわゆる「標準語」(黒島で用いられている伝統的方言に強い影響を受けた「標準語」)の「が」の共通性に関する論文を執筆した。さらに、これらに対する観察をとおして、現代標準日本語の「が」に関する考察も加えた。研究上のデータベースとして、これまでに収集された談話資料などの録音資料を利用し、それらの中での生起の様子から、係助詞「du」の統語的特徴について観察を行った。さらに、近隣の石垣島方言において報告されている現象と対比させながら、黒島の「若者ことば」の「が」の統語的特徴について述べた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

黒島方言のデータベースの蓄積(録音含む)については予定通り進んでいる。また、データベース蓄積に伴って明らかになった言語事実の公表も、論文執筆を通して行っている。一方、もうひとつ予定していたフィールドが、話者の都合で調査不可になった。そのため、他のフィールドを求める必要がある。その点において遅れていると言える。

今後の研究の推進方策

今後は、例文が欠けている辞書項目の例文収録を優先的に行う。同時に、現在手を付けられていない、音声の編集にも着手し、公開可能なデータベースのかたちに近づける予定である。
また、新たなフィールドの開拓も必要である。

次年度使用額が生じた理由

2018年3月22日から4月2日にかけて現地調査を行ったため、次年度使用額が生じた。今年度も主に現地調査のために支出する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 八重山語黒島方言の癖2018

    • 著者名/発表者名
      原田走一郎
    • 雑誌名

      日本語学

      巻: 37-1 ページ: 38-48

  • [学会発表] 談話に見る八重山語黒島方言の形容詞2018

    • 著者名/発表者名
      原田走一郎
    • 学会等名
      第107回九州大言語学研究会
  • [学会発表] 八重山語黒島方言の格標示の概要2017

    • 著者名/発表者名
      原田走一郎
    • 学会等名
      「AA研共同利用・共同研究課題 通言語的・類型論的観点からみた琉球諸語のケースマーキング」発表会

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公開日: 2018-12-17  

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