本研究は消滅の危機に瀕している八重山語諸方言の辞書作成を目的としたものである。音声と例文を付すことに注力し、現代の記録としてふさわしいものを残すことを主眼とした。 結果として、八重山語黒島方言と八重山の近隣言語である水納島方言の語彙を収集することができた。黒島方言については約700語、水納島方言については約200語を収集した。しかし、一部で公開の許可を得られなかったものもある。また、辞書作成を通して黒島方言の文法的特徴についても迫った。特に、最終年度に行った形容詞の形態的、統語的、意味的記述ならびに地理的分布の研究はこれまでに琉球語学および日本語学で示されたことのない現象で重要なものであった。
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