本研究では、原子力災害に関連する和単語とその英訳語に関する調査と統計的な分析を行った。その結果、原子力事故特有の用語については9年が経過している現在でも、多様な訳語が存在しており、定訳が定まっていない状況にあることが証明された。また、ターミノロジーの正確性を計る重要な要素である「訳語の容認性」、すなわち訳語として、受け手にきちんと要素が伝わるかどうかについても、政府、メディア、自動翻訳ソフト間などで使用されている用語にはその容認性に差異があり、公的な資料で使われている訳語が必ずしも最も容認される訳語ではないことが見受けられた。
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