研究実績の概要 |
本研究は,遺物を対象とした3次元計測によるデジタルアーカイブ化の高速化,および高精度化の実現が目的である.本研究課題を解決するためには,以下の要素技術が必要となる: 計測点群に対する高速なノイズ除去,複数点群の位置合わせ,欠損検出,欠損補間,欠損部分に対するテクスチャ補間 研究代表者は,これまで計測点群に対する欠損検出および欠損補間の高速化および高精度化に取り組み,従来手法を上回る効果を得ることができている.具体的には,計測点群に対してボロノイ分割の考え方に基づいた点の疎密情報を用いて,局所領域の形状を解析し,高精度な欠損輪郭抽出を実現した.また,検出した欠損輪郭情報とその周囲の計測点群を利用し,周囲の点群との連続性や形状特徴を維持した欠損補間を実現した.さらに,青銅器に含まれるサビ情報を手掛かりとしてマッチング候補を絞り込むことで,処理速度および精度を改善することができた.加えて,欠損部分に対するテクスチャ補間に関する手法を検討した. 2020年度は,複数の機械学習を用いたテクスチャ生成および3次元形状生成について取り組み,一定の効果を得ることができた.具体的には,テクスチャ,3次元形状生成のための効果的な学習データについて検証および生成実験を行った,また,本研究により生成された3次元形状を通常のディスプレイやVR, MR等のヘッドマウントディスプレイといった複数のデバイスで表示させることで,展示方法に関する検討も実施した.
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