本研究は、若年成人の犯罪に対する少年法制の適用可能性について、アメリカにおける逆移送制度と、日本における少年年齢引下げを対象として研究を行った。アメリカにおける逆移送制度は、重大犯罪についても、必要に応じて少年事件手続を柔軟に活用することを可能にするという機能を有していることが明らかとなった。日本における少年年齢引下げにおいては、少年年齢の単純な引下げではなく、少年と成人の間に中間層(18歳及び19歳者)が設けられ、中間層に対する手続はその法的性質に対応していることが確認された。日米の分析から、若年成人に対する刑事法の特例として、少年法制が適用可能であることが示された。
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