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2021 年度 実施状況報告書

公共事業における入札制度と工事品質に関する実証分析

研究課題

研究課題/領域番号 17K13727
研究機関滋賀大学

研究代表者

石井 利江子  滋賀大学, 経済学部, 准教授 (40456918)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード産業組織論 / 機械学習 / 公共工事 / オークション
研究実績の概要

2021年度は、(1)公共工事の価格と工事品質に関する研究、(2)電子入札の競争促進効果に関する研究、(3)機械学習を用いた入札談合の検知に関する研究の3件を進めた。
(1)は、公共工事の落札額と品質の関係を実証的に分析したものである。具体的には、落札価格と予定価格の比である落札率と、工事成績評定により100点満点で評価された工事品質の関係を線形モデルで推定した。工事規模などさまざまな要因をコントロールした結果、落札率と工事品質の間の相関は確認されなかった。本研究をまとめた論文は査読付き国際ジャーナルであるJapan and the World Economyに受理された。
(2)は、電子入札を導入した地方自治体の入札において競争促進効果がみられたかを入札データから検証した。分析対象となった自治体では、すでに競争的であるとみなせる工事群(A群)と、そうではない工事群(B群)があった。この自治体に電子入札が導入されたことによる競争促進効果を分析したところ、A群では電子入札導入前後でほとんど差がなかったのに対し、B群では有意に入札額が低下したことから、電子入札の導入が競争を促進したと解釈した。
(3)の目的は、機械学習を用いて入札談合を検知することである。特に、海外のデータを学習データとして日本の談合/非談合を分類できるか、また逆は可能か、という点に焦点を当てた。アンサンブル学習を用いた機械学習では、トレーニングデータを国際間交換することは談合の検知に一定の効果を発揮することが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2編の論文が査読付き国際ジャーナルに出版されたため。

今後の研究の推進方策

工事品質についての新たな研究にとりかかるとともに、入札談合事件の研究を継続する。

次年度使用額が生じた理由

コロナウィルス感染症のため計画していた学会等の出張が実施できなかったため次年度使用額が生じた。次年度の出張等に利用することを予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Transnational machine learning with screens for flagging bid‐rigging cartels2022

    • 著者名/発表者名
      Huber Martin、Imhof David、Ishii Rieko
    • 雑誌名

      Journal of the Royal Statistical Society: Series A (Statistics in Society)

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1111/rssa.12811

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Can E-Procurement Reduce Bid Rigging in Public Auctions?2021

    • 著者名/発表者名
      Ishii Rieko
    • 雑誌名

      Journal of Competition Law & Economics

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1093/joclec/nhab019

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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