これまで十分に学術的な議論がなされてこなかった、環境問題および環境経営論と、人的資源管理論とを結びつけて議論した点に、本研究の理論的・学術的な意義がある。そして、事例分析から導かれる示唆として、エコビジネスに取り組む企業以外においても、人的資源管理にGHRMを取り込むことで環境パフォーマンスと財務パフォーマンス双方の向上を図ることができる。2つのパフォーマンス向上は必ずしもトレードオフでない。また、GHRMを導入する際に、従来の人的資源管理諸制度にGHRM的な要素を付加する形で導入するのがよい。これが本研究から導かれる実践的提言である。
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