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本研究は、学士課程教育の一環としての4年次教育の学びのプロセスを解明し、数少ない4年次教育の学習研究の蓄積に寄与することを目指すものである。大学教育の集大成とされる4年次教育はどのような意味で「集大成」なのか、その内実を学生の学びのプロセスに着目し、検討するものである。本研究の4年次教育における学びプロセスの検討とは、(1)4年次教育における教授・学習環境を下支えする学習メカニズムの横断的検討、(2)初年次から4年次に至る学びの軌跡を明らかにする縦断的検討、(3)4年次教育における学びのプロセスを体系的に理解するための理論的な検討を指す。
最終年度は、これまでに検討してきた課題(3)の成果を踏まえ、専門分野の異なる5名の学生を対象に、半構造化インタビューによる質的調査から、学びのプロセスを分析的に明らかにした。特にそのうち3名（社会科学系2名、人文科学系1名）については、追跡調査も可能となり、学習研究の視点から専門教育における学修と学業への意味づけの変容に迫ることができた。
研究期間全体の成果としては、まず、4年次教育における学びのプロセスを理解する具体的方法として、量的方法、質的方法を効果的に組み合わせ、その分析過程の統合をはかる混合研究法の知見に根差した方法を提案することができた。さらにその検討過程において、大学教育研究の文脈から理論的に整備することも新たな課題として見出されたが、この点についても一定の整理をし、論文化することもできた。今後、本研究で提示した知見を用いて実査を進め、卒業研究、卒業論文を中心とする、学士課程教育の一環としての4年次教育の示唆に資する学習研究を進めていく必要がある。
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