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2020 年度 研究成果報告書

近世教育メディア史における「無料」の価値―「施印」に着目して

研究課題

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研究課題/領域番号 17K13981
研究種目

若手研究(B)

配分区分基金
研究分野 教育学
研究機関京都大学

研究代表者

ファンステーンパール ニールス  京都大学, 教育学研究科, 准教授 (50738234)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード施印 / 出版文化 / 無料 / メディア / 教化 / 陰徳 / 妙徳
研究成果の概要

近世における「施印」の教育的な意義を解明するため、本研究は、「施印」資料の全国調査と、孝学友山と菱垣元道という人物の「施印」活動の事例研究を行った。前者の結果として、297点の「施印」を仮目録に整理することができた。後者の結果、それぞれの「施印」の作成・流通過程の詳細が浮かび上がったのみならず、彼らが「無料」で配布した理由について、以下のことが明らかになった。すなわち「施印」は、「陰徳」や「妙徳」を積む手段として認識されたと同時に、「揚名」と「売名」にも利用されたのである。

自由記述の分野

教育史学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は、「施印」の作成・流通・意義を解明することを通して、従来、商業出版が提供する「有料」の「知」に依拠してきた教育史研究に、「もう一つ」の「知の伝達」システムの存在を明らかにした。情報が「有料」か「無料」のどちらで伝達されるかによって、その情報の質・量・流通・受容がどう変わるのかについて、今後の研究が無視のできない問題となったのである。これはアカデミアに対する問題提起であると同時に、インターネットの普及によって情報の「無料化」が急速に進み、学校や大学の「知」の独占が崩壊しつつある現在社会にも、今後の教育の在り方を考えるための不可避の視座である。

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公開日: 2022-01-27  

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