本研究の目的は、X線自由電子レーザー(XFEL)から出射された高強度X線が物質に照射された際に起こるフェムト秒X線ダメージ過程を解明することにある。そのために、ダイヤモンド薄膜を試料としてXFEL照射後にフェムト秒の時間スケールで起こる電子励起や構造変化を時間間隔を制御したダブルパルスX線レーザーを利用することで測定した。実験の結果、XFEL照射後約10 フェムト秒程度で炭素-炭素間の共有結合が破壊されて原子間のポテンシャルが等方的になり、このポテンシャルの変化によってXFEL照射後20フェムト秒後から原子変位が起こることが明らかになった。
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