K3曲面は数学の様々な局面で自然に現れる重要な数学的対象である。ただし本研究では複素数で考えているので、通常の意味では4次元空間になる。本研究において注目したひとつの観点は、対称性である。つまり、三角形のなかで正三角形が特殊であるような意味において特殊なK3曲面について非常に詳細な研究を行った。特に、対称性の高い場合や、ある条件の下(ピカール数が低いなど)での対称性の決定について研究した。また、K3曲面の研究においては周期という値が重要であるが、これと保型形式の関連についても考察して具体的な成果を得た。これは保型形式の幾何的な手法による研究とも考えられる。
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