通常の空間(ユークリッド空間)とは異なる双曲空間という空間が19世紀以来知られているが、その一般化にあたる「漸近的対称空間」が近年研究されている。アインシュタイン方程式をみたすものを調べることが中心的な課題である。 本課題では、この分野に本質的進展をもたらすことを目的とする研究を行った。漸近的対称アインシュタイン空間のひとつのタイプについて、さらに豊富な幾何学的構造が空間に備わっていると考えるべきだと提案し、その例を系統的に構成する定理を証明した。また、それとは別のタイプの漸近的対称アインシュタイン空間を構成する新たな方法をつくり、それにより得られる空間たちの極限について考察を加えた。
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