多重劣調和関数のレビ形式が正となる集合(非多重調和領域)がケーラー多様体の位相的、解析的な性質と深く関わることを示した。中でも、ケーラー多様体上の正則ベクトル束のコホモロジーと非多重調和領域上に制限したベクトル束のコホモロジーが、ケーラー多様体の次元の半分より小さい次数の場合に同型や単射を与えることを示した。この結果はハルトークスの拡張定理を部分的に含む。さらにケーラー多様体のド・ラームコホモロジーと非多重調和領域のド・ラームコホモロジーの間の同型や単射を導いた。この結果は古典的なレフシェッツの超平面定理の解析的な類似を与えている。
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