星間分子雲と呼ばれるガス塊の中で、我々の住む太陽系のような恒星や惑星系が生まれる。分子雲には水や有機分子を含む多様な分子が存在することが知られており、その詳細な理解は我々の住む地球や生命の起源などの根源的な問いに迫る第一歩として意義がある。本研究では分子雲から原始惑星系円盤(惑星系の直接の形成現場)に至るまでの分子組成進化を主に数値シミュレーションを用いて調べた。主要な成果としては(i)分子雲における窒素同位体分別メカニズムの解明と(ii)原始惑星系円盤の分子組成を理論的に探る新たな手法として、固体微粒子の衝突合体成長と氷化学を整合的に解く数値計算コードを開発したことがあげられる。
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