研究課題/領域番号 |
17K14249
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東北大学 (2018-2019) 東京大学 (2017) |
研究代表者 |
石垣 美歩 東北大学, 理学研究科, 特任助教(研究) (30583611)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 銀河考古学 / 天の川銀河 / 恒星 / 元素組成 / スペクトル |
研究成果の概要 |
本研究の究極目標は、天の川銀河恒星系の大規模分光サーベイに基づく元素組成測定から、宇宙初期の元素合成、天の川銀河の形成過程・化学進化を解明することである。研究の成果として(1)大規模分光サーベイで得られる恒星スペクトルデータから正確な元素組成測定を実施する上で重要となる基準星の構築を行った。明るい基準星の多くについて、アーカイブデータと最新の位置天文学データを活用し、恒星物理量・元素組成を正確に導出することができた。(2)既存の金属欠乏星元素組成データと超新星爆発元素合成モデルとの系統的な比較を行い、宇宙で最初に誕生した初代星の性質に一定の制限を得た他、今後の課題を明確にした。
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自由記述の分野 |
恒星分光学、銀河天文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、2020ー2030年代にかけて大きく進展が見込まれている天の川銀河の大規模恒星サーベイで最大限の成果を得るため、データ解析とデータ解釈の二つの側面で独自の貢献をすることができた。まずデータ解析では、世界最大級のすばる望遠鏡の過去のデータを最新の位置天文学データと連携させることで、大規模恒星サーベイにおいて広く有効活用できることを示した。さらにデータ解釈の面では、超新星爆発元素合成理論モデルを用いた研究を通して、天の川銀河に生き残る最古の恒星である金属欠乏星の観測から直接見ることのできない宇宙初期について観測的な証拠を得る「銀河考古学」のアプローチを具体的に示すものとなった。
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