本研究は、宇宙線ミューオンで建物等の大規模構造物内部を非破壊検査する技術に注目し、我々が開発した絶縁層にセラミックを用いたガス電子増幅フォイル(セラミック製GEM)を搭載した小型ミューオン非破壊検査装置のプロトタイプ機の開発を目指した。まず検出器が長期運用に耐えられる様、一番の故障要因であったセラミック製GEMの放電対策を行った。改良を重ねた結果、試作品サイズで放電数を従来の10分の1以下に抑えることに成功し、実用サイズに大型化しても同様の性能を達成した。次にこのセラミック製GEM改良品を用いたミューオン非破壊検査装置のプロトタイプ機を設計・製作し、基礎評価に問題ないことを確認した。
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